言わずもがな高岸先生本。“非典型”炎症に関してめちゃまとまっていて、総合内科的な入院患者アセスメント、症例当てカンファや診断推論大会にも重宝しそうな1冊。
書籍に関して
結論/まとめ
“非典型”炎症をなめるな、ちゃんと評価せよ。
診断推論大会の強い味方。
勝手に厳選の金言集(+私見付き一部改)✨️
①そもそもの“典型”炎症とは
本書では、
(1)白血球:増多
(2)好中球:増多(主に85%超)
(3)リンパ球:低下
(4)好酸球:低下(1-2%以下)
(5)単球:絶対数は若干増えるが、割合的には低下する
+
CRP高くなることが多い。・・・ここは私が加えた。
②“非典型”炎症とは
上記(1)(2)(3)(4)(5)のどれかを満たしていない時。本書ではそれぞれを深い追いしている。その一部を提示すると
(1)白血球:増多
(2)好中球:増多(主に85%超)
(3)リンパ球:低下してない!→全身性肥満細胞症
(4)好酸球:低下(1-2%以下)してない!→相対的副腎不全、コルチゾールを抑制できないほどのT細胞(CD4+T細胞)の活性が活発。
むしろ増多!→EGPAやHES:遺伝性/家族性or原因未定or原発性or反応性好酸球性増多(HE)。これに臓器障害が伴えば好酸球性増多症(HES)
(5)単球:絶対数は若
干増えるが、割合的には低下してない!→慢性骨髄単球性白血病(CMML)(は、炎症性関節炎や血管炎やベーチェット病と併殺しやすい)
ちなみに、好塩基球が増多するもので頻度高く大切なのは、慢性骨髄性白血病(CML)
③“非典型”炎症をなめんなよ!
おそらく、本書の一つのねらいは、見落とされている/軽視されている“非典型”炎症をちゃんと、考察しろ!なめんなよ!ってメッセージもあると思う。
しかも厄介なことにその原因となる疾患は、自然増悪寛解を認める疾患もあるために、例えば、”なんか白血球の増多は乏しいけど、(多分)尿路感染症/蜂窩織炎だろうと思って抗生剤治療したら、CRPの低下と症状の改善”を認めた際に、たとえ病態の本質が尿路感染症/蜂窩織炎で無くても尿路感染症/蜂窩織炎と誤診・誤認してしまうことになる。これがあかん例である。まぁ、こういう経過の症例も提示してあるので、後医は名医で、ちゃんとなんか白血
球の増多は乏しいという違和感とともに病歴をまとめておくことはめちゃくちゃ大切だと思う。
④金言、クリニカルパール
1)「FER上昇やLDH上昇、血小板減少が生じるような炎症において、かつ白血球がない+相対的単球増多(≧10%)、免疫グロブリンが正常範囲は、悪性リンパ腫(主にB細胞性リンパ種やホジキンリンパ腫)の炎症を考えろ」
2)悪性リンパ腫における診断のコツ:骨髄濃度を意識せよ(下記はAIで作成も含む)
結論:特に高齢者でCTでは通常黒い腸骨稜や大腿骨骨幹部が軟部組織のように白っぽくなってたら異常
成人では通常
、四肢や体幹部の骨髄は加齢とともに脂肪成分が増え「黄色髄」へと変化するが、腫瘍細胞の浸潤や骨髄の活性化が起こると、脂肪が消失して細胞成分主体の「赤色髄」のような状態(再赤色髄化、あるいは浸潤)になる。
・CT値(HU値)の定量的評価
黄色髄(正常な加齢
変化): 脂肪成分が多いため、負の値(-100 ~ -30 HU程度)を示す。
赤色髄化・腫瘍浸潤: 細胞密度が高くなるため、CT値が上昇し、通常は正の値(+20 ~ +100 HU程度)になる。
| 組織名/物質名 | CT値(HU値)の目安 | 備考 |
| 空気 | -1000 | 全ての基準となる最低値 |
| 肺 | -900 〜 -600 | 内部に多くの空気を含むため低値 |
| 脂肪 | -120 〜 -50 | 皮下脂肪や内臓脂肪 |
| 黄色髄(脂肪髄) | -100 〜 -30 | 高齢者の長管骨などに多い |
| 水 | 0 | 基準値(純水) |
| 脳(白質) | +20 〜 +30 | 灰白質より脂質が多く、やや低値 |
| 脳(灰白質) | +35 〜 +45 | 神経細胞体が集まる部位 |
| 血液(凝固前) | +13 〜 +50 | ヘモグロビン濃度に左右される |
| 赤色髄(造血髄) | +20 〜 +50 | 若年者や椎体に多い |
| 筋肉 | +35 〜 +55 | 軟部組織の標準的な値 |
| 肝臓 | +40 〜 +70 | 正常では脾臓より少し高い |
| 脾臓 | +40 〜 +60 | 肝臓と同程度か、やや低い |
| 腎臓 | +20 〜 +45 | 実質部分の値 |
| 骨(海綿骨) | +200 〜 +400 | 骨梁と骨髄の混合値 |
| 骨(皮質骨) | +500 〜 +3000以上 | 体内で最も高吸収な組織 |
3)パルボウイルスのこの必読論文
https://www.ryumachi-jp.com/pdf/mr21-1_24-31.pdf
Mod Rheumatol. 2011年2月;21(1):24-31.
京都府における成人患者30名におけるパルボウイルスB19感染症の臨床所見
大岩 浩 他 PMID: 20680378
要約with Gemini
1. 症例の86.7パーセントが26歳から45歳の女性であり、成人女性に好発する傾向が顕著でした 。
2. 典型的な臨床経過は二相性を示し、初期のウイルス血症期と、その後の抗体応答期に分かれます 。
3. 第一相では非特異的なインフルエンザ様症状が主であり、76.5パーセントの症例で発熱が認められました 。
4. 第二相では関節痛と発疹が主症状となり、関節痛は85.7パーセント、発疹は82.1パーセントの症例で発生しました 。
5. 発疹は四肢に現れることが多く、小児で典型的な顔面の紅斑は成人の場合は10パーセント未満と稀でした 。
6. 血液学的検査ではリンパ球減少が75.9パーセントと最も高い頻度で認められ、重要な診断指標となります 。
7. 第二相において50パーセントの症例で低補体血症が認められ、発疹や関節痛への免疫複合体の関与が示唆されました 。
8. 関節症状は対称性の腫脹を伴い関節リウマチと類似することがありますが、発疹の随伴や一過性の経過が鑑別の鍵となります 。
9. 成人の感染は小児の伝染性紅斑の流行時期と一致して発生しており、子供との接触や教育・医療現場での曝露がリスク要因となります 。
10. 全体的な予後は良好であり、関節痛は平均11.5日で有意な改善が認められました 。
⑤疾患オーバービューも充実
本書では、Chapter6として
・VEXAS症候群
・血管内リンパ種
・EGPA・HES:鑑別
・特発性多中心性Castlman病とTAFRO症候群
・大型顆粒リンパ球増多症/白血病
・IgG4関連疾患
・成人Still病
・重症薬疹(DIHS/DRESS、SJS/TEN、AGEP)
などが取り上げられ、このChapter以外では、
・MGCS、POEMS症候群などがまとめられている。
結論/まとめ(再掲)
“非典型”炎症をなめるな、ちゃんと評価せよ。
診断推論大会の強い味方。
画像・文章の一部はChat-GPT・Gemini関連を使用していることもあります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。おまけです。
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おまけ:医はき師 てらぽんに関して
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最後の最後まで見て頂きありがとうございます🙇
以上です!あっばい(長崎県の方言らしい)!!!!!、、


